鑑賞前は花火作りにフォーカスした人のあたたかさ~的な話なのかと思っていた。
観てみたら思ったよりミリタリー要素を強く感じた。
主人公は国連の平和維持活動で海外に派遣されていた自衛隊員の島田という男性。現地で起きた出来事がきっかけで島田は隊を辞め、いちおう社会復帰は果たしたものの時折“あの日”のフラッシュバックに苛まれている。
ある日島田は勤務先で暴力沙汰を起こし、会社を辞めることになってしまう。しかしこれまでの勤務態度を理由に社長が厚意で別の仕事先を紹介してくれた。それが、舞台となる花火工場。よりにもよってトラウマと直結している「火薬を扱う仕事」だった。
花火作りを通して島田は新しい人生を歩み出すのだが…という話。
実際に報道されたニュースから着想を得たとのことだが、多分フィクション寄りの話ではないかと思う。
花火工場は新潟県にある設定で、長岡の花火大会より後というタイミングで島田は花火工場に入社する。長岡の花火大会についてはたまたま『長岡大花火 打ち上げ、開始でございます』というドキュメンタリーで観たことがあった。スクリーンで見てもとてつもない迫力を感じた。
あのデカイ花火を打ち上げるなら、島田には可哀想だがPTSDで錯乱するには非常に適していた土地だったと思う(ヒドイ)。
自衛隊まわりの設定はどこまでリアルなのか知らない。基地も実際のものとはだいぶ異なるのだろう。さすがに現実の自衛隊がそんな簡単に銃器を横流ししたり要人を誘拐されたりはしないだろう、と思った。
基地の警備がザルなところや公共放送ジャックも含め、並行宇宙の日本だと思って観るぐらいでちょうどいいかもしれない。
なので「そうはならんやろ」と感じる部分はたしかにある。
けれども、作品の規模でギリギリ「本当にやれそうな空気」というか、違和感を持たずに観られる画づくりがされていた。とくに後半はずっと緊張しっぱなしだった。
レーティングはG(全年齢)だし中学生でも理解できる英語しか出てこないので、ガンアクションも花火も平和について考えるのもいっぺんにやりたい人にはいいのかも。
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