…といいながら、本編で使われているインタビューはセオドア・ホールのものより彼の奥さんの映像が多め。
この奥さんがけっこう主張が強いタイプだった。私は左翼的な人に苦手意識があるため、この映像作品全体の印象がよくないものになってしまった。
とくにタイトル回収するくだりが不快。
セオドア・ホールには兄がいて(お兄さんは米軍でミサイルを開発している)、兄に原爆の資料を盗んだ事実やFBIから逃げ回っていることを打ち明けるエピソードがあるのだが、兄は肉親の味方になり、さらに盗聴器に気をつけるよう助言までした。
それを奥さんが述懐する際に“原爆スパイ”という言葉が出てくる。笑いながら話す様子に、心の底から胸糞悪いものをおぼえた。
同じ時期というか同じマンハッタン計画を描いた『オッペンハイマー』よりも原爆投下後の被爆者の画像をしっかり使うので、グロいのが苦手な人にはキツイかもしれない。
冷戦下のアメリカの空気感はオッペンハイマーより分かりやすかった。
分かりやすかったが、二度と観たくない。
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