2024-02-03

20231208 ウォンカとチョコレート工場のはじまり

 お仕事、はたらく事について考えずにいられない映画だった。

 人を活かすも殺すもチョコレート次第という特殊な地域に一人の青年がやってきて、夢みたいな世界を見せることができるチョコレートを創り出して自分の店を持とうとする話。
 カネを通して描いたら生々しくなっていたであろう話もチョコレートに置き換えると素敵なファンタジーに見えるのだから不思議だ。

 ミュージカルは苦手なので、鑑賞前はちょっと不安だった。
 以前観たアナ雪やウエスト・サイド・ストーリーなどは、歌パートに入ると歯を食いしばっていた。
 登場人物たちは歌い出したくなるくらい感情が昂揚しているから歌うんだろうけど、正直、鳥肌が立つ。丸の内仲通りのイルミネーションにむらがるカップルの今にもおっぱじめそうな空気とか、インスタのポエムとか、知らない人のLINEのやり取りを、不意打ちで食らっちゃった時のような感じに近い。
 なんかもう「やめて」って感じ。

 ティモシー・シャラメが歌うさまも想像がつかなかった。
 どうしても、あの、ととのった顔立ちが先に来てしまう(インターステラーの影の薄い長男は除く)。
 そして始まっていきなり歌い出した。
 意外と聴けた。
 というのも歌声がソフトで、ミュージカルにありがちなエモーショナル爆発! ではなかったから。たんに声量がないのかもしれないが、ミュージカル苦手な自分にはティモシー・シャラメくらいの歌い方のほうがちょうどいい。

 話も面白かったし、ミュージカルだからと食わず嫌いせずに観てよかった。

 ただ、彼の創ったチョコレートでありえないことが現実に起きる表現として出てきた、無毛の猫がフサフサになるシーンだけはイカンでしょと思った。猫にチョコ食わせちゃ駄目だろう。



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