いわゆる「落ち着きのない子」を、アニメーションで(動画的な意味で)どこまで表現できるんだろう? という興味があった。
映像のほうは体の動きというより具体的なエピソードが主で、それもまあ女の子にしては好奇心旺盛で活発なお子さんですね〜くらいの、微笑ましく感じられるところまでで踏みとどまっているように見せている。後から振り返ると「やっぱりとんでもない事してたなあの子」ってなるけど。
小学校退学と聞くと何をやらかしたんだ、学校側は何をやっているんだとなるかもしれないが、現代ならあの状況は加配で先生をもう一人増やすべきケースなわけで、そりゃ一人担任じゃ無理だったろう。
そんな昔の制度ではカバーしきれなかった子ども達を引き受けて、彼らが毎日元気に通えて次の日を楽しみに待てるような学校の存在は、親御さんにとっても救いだったに違いない。
先生方のフォローの大変さは計り知れない。子ども達が自由にのびのびやっている影で、気づかれないように何処かで見守っていたとしか思えない場面がいくつもあった。
ほかに印象に残ったのは、戦争が日常にもたらす色彩の変化だ。開戦以降の落差が激しい。
とはいえ映画館の客の半分くらいは子ども連れで家族で観に来ていたから、色彩の変化で子どもでも何かしら感じ取れる分かりやすさはあっても、保護者の方が後で説明する大変さはなくならない感じ。
大人から見ると下の子が生まれるあたりなんかスゴイ説得力を持っているんだけど、あのへんもどうやって説明すればいいのか悩みそう。
各ご家庭の歴史認識と語彙力が問われそうだ。
ラストの空襲シーンで重苦しさはピークに達し、近くの席のチビっ子が「こわい……」とこぼすほどだった。
校長先生の目のとこ、きっとそのチビっ子には、戦争にたいする心の底からの怒りが、ストレートに伝わったんだろうね。
戦争にかんする描写はグロはなく安心して観ていられるくらい抑えめだったけど、変なところで凝っていた。
M69焼夷弾の機構がやけに細かく描き込まれていた。
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