2025-05-04

20250428 #真相をお話しします

 予告編がロングバージョンになってから気になりだして鑑賞を決めた。

 かつて国民的な人気を博した、九州地方の離島で暮らす子ども達の日常を発信する動画チャンネル(民放の大家族シリーズみたいな雰囲気)。これがとある出来事を機に終了してしまう。
 映画の舞台は、その子ども達のうち一人が立ち上げた生配信コンテンツ「#真相をお話しします」。
 正体不明の語り手たちが、世間を騒がせた事件について知られざる真相をぶっちゃける。
 まるで匿名掲示板に関係者が降臨したかのようなノリで明かされる生々しいエピソードに多くの視聴者が食いつき、劇中の日本では同接100万を超える話題の番組のようだ。
 さらに語られた“真相”が面白ければ視聴者から投げ銭が入るシステムまで導入されており、下世話な話で注目を浴びて大金まで得られることから、語り手役に立候補する者も少なくない。
 主人公のしがない警備員・桐山も、一攫千金を狙って語り手役にエントリーするが…という話。

 原作は読んでいなくて短編集だということしか知らないが、予習ナシでも特に問題なかった。

 どのエピソードも殺人事件についての真相が語られる。しかしそれがちっとも怖くない。
 そんな理由で、人、殺すかなあ? と首をかしげてしまった。
 自分がミステリーを読む習慣がないせいなのか、文章として楽しむものが映像化されたことで変な感じになっちゃったのか、どっちなのかは分からない。

 どちらかといえばミステリー要素よりも登場人物のお芝居、とりわけ女性陣にドキドキさせられっぱなしだった。
 恋愛リアリティショーでも見てるみたい。
 パパ活女子の手管はたいへんスケベで良かったし、チョモ少年の思い出話に出てくる女の子も、2人とも小学生なのにどこか大人びた瞬間をのぞかせる。
 とくに教室で2人きりになった凛子ちゃんとのシーンは映画館じゃなければ叫びたくなるほど。

 子役含めキャストは皆すごい。のだが、テーマのほうは自分には消化しきれなかった。
 この映画の特徴的な部分でもあるのだけど、前半と後半で異なる要素…一つの映画のなかに「娯楽→問題提起→観客を巻き込む」が盛り込まれて途中からテイストを強引に変えられるところは、頭の切り替えがけっこう難しいなと感じた。
 
①殺人事件も子どももコンテンツとして消費されること。
②それがカネになること。
③消費する視聴者(ひいては観客)に当事者意識を持たせ、現実を突きつけたい意図。
 その3つを全部やるにしても、
1)各話の再現VTR部分がよくできているが故にフィクションとして観てしまい、現実の事件を連想しづらい
2)語り手の喋りがこなれ過ぎている。顔バレしないのをいいことに友達や身近な人へ話すような気楽さで打ち明ける様子を表しているのかもしれないが、生配信で一般人がそんな流暢に話せるのか疑問に思ってしまう
3)終盤の警備室でのやりとりにたいして…桐山おまえ警備員だろ!
 全体的に「映像演出として一回見せれば説明はしたし伏線にもなるだろう」という見せ方だったが、一回だと印象に残らない。桐山にかかってくる電話だって、バイブでも光の点滅だけでも、もっとしつこく見せていれば彼の焦りも伝わってきただろうに…
 なんだか観客をオモテに引きずり出す以前のところで引っ掛かってしまった。

 できれば、
「プライバシーの侵害や特定厨のような行為によって、人がネット上に晒されオモチャにされると、どれほど重い事態をもたらすのか」
も、具体的に描いてほしかった気もする。
 生配信に集まる外野と映画の観客である我々を結びつけるものはたしかに安全圏からの野次馬根性なんだけど。
 被害者側の視点が薄いと感じた。
 鈴木と我々を結びつける共通点も描かれていたら、ただのヤケを起こした人って印象にならずに済んだんじゃないか?

 言ってもコレは個人の感想なので。

 いろいろ盛り沢山な映画なのは間違いない。


20250412② アマチュア

 スパイ版はじめてのおつかいというか、「理系の大学で優秀な成績を修めた人が就職先で営業職に就かされたらどうなるか?」を見ている気分だった。


 予告でも見られる絵的にハデな爆発があるけど、彼の本職であるオフィス業務と周囲の人が言う「IQ170」の頭脳からそのような爆弾の使い方が導き出されるとはどうにも思えず…IQ170の人って本当にこんな方法採るかなあ、と、謎の解釈違いを起こしてしまった。

 しかも劇中で「IQ170」をやたら強調してくるので、一周まわってバカっぽく聞こえてくる。


 諜報員っぽさで言えばインクワライン氏のほうがそれらしく見えた。氏と比較すると主人公の初心者っぷりがますます浮き立っていく…

 大丈夫かなこの人、ちゃんと一人で復讐できるのかな、と、話が進むにつれて遂行面での不安が増していった。


 とはいえ、「人はいつまで初心者なのか」は、ハタから見ても案外分からないものなのか。

 ハラハラさせつつ何だかんだ復讐のほうは順調に進んだ。


 どこか日曜洋画劇場っぽさを感じる作品だった。

 主人公に都合よくコトが運びすぎなのかも。



2025-04-30

20250412① ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男

  視力が悪すぎて字幕がほとんど読めず、パンフレットでようやく内容を把握できた。


 ヒトラーにたいして何かキレ散らかしてるイメージがあるのは、おそらく「総統閣下シリーズ」のせいだ。

 『ゲッベルス』では主人公ゲッベルスのほうが、会議中にせよ演説の練習や本番にせよ、ヒートアップしてる場面が非常に多く描かれていた。

 むしろヒトラー役の人のほうが抑えめの演技をしている。それだけで意外なものを見たように感じるのだから、いかにゲッベルスの演出が後世まで影響を及ぼしているのかって話なんだろう。


 こういうの観に行く人なら大丈夫なんだろうけど、史実に基づくと謳った作品なので、銃殺、絞首、死体の山がたくさん出てくる。『関心領域』にはなかったものが全部映る。

 グロいの苦手な人はそのあたり覚悟して観たほうがいいと思う。



20250406 ANDROGYNOS - THE FINAL WAR - 特別上映会 DAY2 - under the Red Moon -

 1日目とは別の映画館にて。

 音響に力を入れたシアターで単純に音がデカくて良かった。


 元ピエラーだったら2日目のほうが感動するのかしら? と思ったが、自分のテンションにはそれほど変化を感じなかった。

 PIERROTに限らず色々なバンドの復活やら再結成やらのニュースを目にしていたから驚きが分散したのはあるかもしれない。


 むしろ、一般的な会社員の目線で、いちど辞めた職場でまた働く人の感覚について思いを馳せてしまう。

 一般企業に勤めていれば出戻りする勤め人を見ることもあるにはあるが、どちらかといえば珍しいケースであって、だいたいの人は「もう戻らねえからな」って気持ちで辞めていく。し、辞められた会社もどうにかして替わりを立ててなんとかする。


 バンドの場合そう簡単にいかないのは何となく分かる。駅伝のチームやアイドルグループ等のような新たなメンバー加入による新陳代謝を前提とした集団ってわけでもなし。

 それに、あくまでお客さん目線では、欠けてない頃のフォスだけがフォスであって後から他の子のパーツを補ったのはもうフォスじゃないってなるだろう(あの漫画まだ読んでない)。


 バンドだと「替えがきくかどうか」の捉えかたに、当人たち以外、つまり受け手の目線が加わるところがかなり大きく影響しそう。

 望まれていなければやらなかった可能性もあるのか? と、何となく思った。最終的には当事者次第なんだろうけど。


 私は多感な思春期の頃にピエラーをやってはいたけれど、いわゆる「迷える子羊」ではなかった。十代の頃からそうだったし、今だって人からそのように決めつけられたら嫌だ。

 大変な思いは特にしてこなかったから、彼らにたいして「救われた」みたいな思いはない。


 ただ、当時、つらい日々のなかで彼らを心の支えにして生きてきた人達がいるというのも理解している。

 あの解散のしかたでは納得できていない人だってそりゃいるだろう。


 “今の”PIERROT、というには演奏する曲が過去のものしかないので何とも言いにくいんだけど。

 かといって、20年ちかく経った今聴いていても“昔の”曲と言うのは何か変な気がする。

 MCで「やめさせてもらえない」というようなことを仰っていたが、ではPIERROTの終わりって何だろう? と考えてみても、それもちょっと分からない。


 いつまで経っても特異なバンドだなあと思う。



20250405 ANDROGYNOS - THE FINAL WAR - 特別上映会 DAY1 - under the Blue Moon -

  映画館のサイトで予約したものではなく、チケット会社のサイトからエントリー・当選した上映会の会場が映画館だった、というもの。

 厳密にはカウントすべきではないのかもしれない。が、いちおう映画館で見たものなので記録しておく。

 ちなみに全席指定で席は選べなかった。お客はみんな真ん中あたりの観やすい列に寄せられていた。

 告知では声出し・ヘドバンOKとの触れ込みではあったものの、自分が行った会場ではヘドバンしてる人は確認できず。全席指定で前後左右に人がいる状態で髪を振り乱すのは難しいだろう。ヘドバンOKにするなら自由席でもよかったと思う。


 昔風に言うと当方元ピエラー、リズム隊が好きでタカーだった。

 PIERROTがメジャーデビューしたての頃に中学の同級生から「クリア・スカイ」を勧められて聴き始めたのが最初なので、古参というわけでもなく、そもそもバンギャと言えるほどV系バンドのこともよく知らない。

 しかも途中で離脱している。3枚目のアルバムが出た後ぐらいの頃から、個人的な問題(頭に不具合が出た)が起きていたので、楽曲やライヴを楽しむ余裕がなくなってしまった。

 離れているあいだに解散しちゃったのでいまいち終わった感じがしない。

 以前の復活ワンマンや丘戦争はSNSで把握してはいたものの、復活そのものには特に何の感情も湧かなかった。今も割と淡々と受けとめている。


 DIR EN GREYのほうは学生時代にMステに出ていたのを見たことがあったかも…ぐらいの認識。

 たまたまLIVE FILMを観たらとても良かったので、同時に観られるならおトクかなーと思って上映会に行ってきた次第。

 知らない曲が多いぶん、DIR EN GREYのパフォーマンスのほうが新鮮だった。