2025-08-31

20250712② スーパーマン

 ヒーローと言えば皆さんご存知、で序盤にくるはずのシークエンスを全部スッ飛ばしたところが豪快だなと思った。桃太郎なら鬼ヶ島に着いたところから始まったような。

 マン・オブ・スティールは観たことあったから「ずいぶん大胆にはしょったな」と驚いてしまったけれど、たぶんスナイダー版…というかDCEUは観なくても大丈夫だと思う。


 ヒーロー映画ってこんな感じというイメージを持てるようになったのはMCUがあったからだ。足の速いやつがいるとか、念力使うのが出てくるとか、鳥がモチーフで空を飛ぶとか、マーベルにもDCにもそれぞれ似た能力を持つヒーローが存在するのも何となく理解した。こんな早いペースで実写化とリブートを重ねていったらネタ被りしてしまわないか?とも思った。

 今回のスーパーマンは被ったというか、あえてMCUのキャラクターや名場面を重ね合わせていたような。

 レックス・ルーサーはアイアンマンになれなかった男として描かれていたと思う。天才で超大金持ちで、自ら開発したマシンでスーパーマンを圧倒し、テクノロジーを駆使したネガキャンでスーパーマンを追い詰め、強大な力を持つスーパーマンは世界の脅威なのだという印象操作は成功して、ヒーローを応援する者は誰もいなくなる。

 この諸々はイーロン・マスクへの当てつけとか風刺なんだろう。しまいには何かウルトロンみたいなやつまで出てくる。


 で、そのウルトロンみたいなやつを今回はどう攻略するのか。

 中東の紛争は誰が止めるのか。

 レックス・ルーサーに一発ブチかますには。


 そういった局面で今回のスーパーマンは、ものすごく現代的なアレンジがなされていた。

 一人しかいないめちゃくちゃ強い男が正義を体現するってヒーロー像を解体してしまった。


 スーパーマンも白雪姫も元のままでいいのに、という人には刺さらないかもしれない。

 アメコミ実写化でいろんなヒーローが出てきて、映画で描ける能力や演出は出尽くしてしまったのかもしれない。犬がいちばん新鮮に見えた。


 ロマンス要素については、独占インタビューのくだりに嫌悪感をおぼえた。野球選手と女子アナが実は裏で付き合ってましたみたいなノリが気持ち悪かった。しかもその場面、やたら長くてイライラする。



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