本編は、割としっかり命を奪う。
予告で“ノマド”を伏せる意図は分かる。ただ、愛の物語のほうを目当てに観に行った人がいたら……その人がもし、人が傷つく描写が苦手だったら……と思うと、ちょっと気の毒な気持ちになった。
いやAI搭載ヒト型ロボットの生命って何だよってなるんだけど、姿かたちが人間のそれに非常に近いから、機能停止させた時の命を奪った感が強い。
お話は何かローグ・ワンとブレードランナーを足して2で割ろうとしてエリジウムができちゃったような印象を受けた。
スター・ウォーズを一言で説明するとなって「スター・ウォーズとは、デス・スターを壊しに行く話です!!」で押し通されてしまったような。
そこじゃねえだろ、となってしまったのは、多分、力の象徴と言うべきものにどう立ち向かうか「まで」しか描かれなかったからだろう。
この人達この後どうすんのかな、分断のその先をどう見せたかったんだろう、と思うと何か物足りなかった。
あと、アジアに夢を抱きすぎな気もする。
作った人はアメリカ人にたいする嫌悪感でもあるんだろうか。俺はアイツらとは違うんだ、立場の弱い人達の気持ちが分かるんだ、的な。ギャレゴジもだけど監督さんは人間に対して潔癖症でもあんのかな。
主題には何かビミョーなものを覚えたが、映像はかなり好きなやつだった。
理不尽な暴力をこれでもかと見せてくる(臨場感も凄いがそのぶん爆弾と銃撃の音がかなりうるさいとも言える)。
同じ型のアンドロイドは顔も同じなため共通の役者が演じている点だとか、地上から見上げたノマドの子宮のようなルックスとか、動力源どうなってんのってなる静けさとか、ちょっとした乗り物のウェザリングなんかも、細かいところまでこだわっているのが見えて良かった。
特に死亡者のいまわのきわの記憶を語らせる装置に至っては、思いついた人の正気を疑いたくなる。人の心とかないんか?
いろいろなメカ描写には魅力を感じたので、2周目いってもいいかなと思った。
でも、目がめちゃくちゃ疲れたから当分はいいです。
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