アウシュビッツ収容所のすぐそばに建っている家の話ですよと宣伝されていて、さぞかし暴力的な場面でも描かれるのかと思っていたら逆だった。
素敵なおうちに住み続けるためなら“隣”で何が起きていようが関心を持たない主婦の話。意志が強い。
現実を「見ない」話だから、ナチスがやってきた残酷な行為の数々も壁一枚はさんだ見せ方になっている。文字通り壁づたいの銃声と悲鳴だけ。間接的なのが意図したことなのは分かる。それがただひたすら続くので、とにかく尺が長い。
奥さんにとっては、あの音が続くかぎり素敵な家に住んでいられる。この長い尺もとい長い日常がいつまでも続くのかーと、旦那さんと同じ鬱屈を感じさせられた。
ナチスといえば普段『武器人間』とか『オーヴァーロード』みたいなものを好んで観る人間にとってはグロがないから物足りない。映画館で観たいものが偏っているため、不意打ちでアートを食らうと戸惑ってしまう。これも勉強だと思って最後までじっとしていた。
つまらなくはないんだけど、この手の映画はテンションが上がらない。
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