劇中も、ゲンナ星の獣を狩るのにデクだけでなく、ティア、バドが活躍する場面もたびたび描かれている。
デクは経験が浅く、冒頭では兄クウェイから「空間を使え」と指摘されている。そこがだんだんできるようになっていく過程なのだが、初見で倒せない→ティアにアドバイスされたりバドが勝手に手を出す→デクは死なずに済む→対処法を見出してモンスターを倒す、が繰り返される。
視点が3つもあるため肝心のデクは前面に出づらく、強いんだか弱いんだかいまいち分かりづらいまま話が進んでいるように感じた。
デクはヤウージャの教義をかたく守っていて非常にまじめなキャラクターだ。誰の助けも借りず一人で強くなりたかっただろう(観客である私もそれを期待していた)。
しかしバッドランドではそれが通用せず、ソロ狩りを強行すればあっさり命を落としていた可能性が高い。
デクは経験不足だっただけで、けして弱くはないと思う。
が、ティアの言うとおり「助けられた命」でもある。
なんだかんだ彼は負けず嫌いというか、つよがりな性格なのだろう。
半身しかないティアのことは「道具としてなら」という口実がないと助けづらかった。
誰よりもたくさん狩るアルファになるというのも、たとえ話に出されたオオカミのリーダーよりも自分のほうが強いのだと言いたいがためにムキになっているようにも見えた。
小柄だから弱いというより、情に厚い不良みたいな人なのかもしれない。
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