2025-12-31

20251129① (Blu-ray上映)ザ・セル

 ターセム監督×石岡瑛子さんが衣装を手掛ける作品で最初に観たのは『ザ・セル』のほうだった。2001年の公開当時まだ高校生でミニシアター系の作品にもほとんど触れたことがなかったところへこれを観てしまったものだから、ものすごい衝撃を受けた。
 大きなスクリーンで再び観ることができてとても嬉しかった。

 精神疾患により意思疎通が図れなくなってしまった患者にたいして、特殊な装置を用いて患者の意識そのものへアクセスしてカウンセリングと治療を試みるセラピストの女性が登場する。
 この研究施設に刑事が訪れ、捜査中の誘拐事件の犯人が何らかの発作でブッ倒れたから人質の居場所を聞き出してくれないかと相談される。人の命がかかっているならと(渋々)引き受けたセラピストだったが、犯人の精神にアクセスしてみたらあまりにも異常な心象風景を見せられて恐ろしい目にあう、という話。

 精神世界を絵的に見せているから何でもアリなところが強い。
 ドレスにしろ小道具にしろ、ほんの数秒しか見られなかったり、画面に入りきらないところまで作り込まれているはずなのに全部は見られない。そういう作り方ができるところに「贅沢だなあ」とあらためて思った。

 このリバイバル上映の前に落下の王国を観たばかりで、まとめて観たことで、何故あっちがヒットしたのか何となく理由のようなものが分かった気がする。

 ザ・セルの精神世界やスターガーの異常さの見せ方はたしかに凄いのだけれど、それ以外の現実パートは普通。内面に蓋をしている人たちの話だから普段の振るまいが淡々としているのはまあそうなんだけど、犬が可愛いこと以外は印象に残りにくい。

 落下~は特殊な装置など用いなくてもイマジネーションの世界を共有している点だったり、現実…病院内での出来事がひと山越えて感動の結末を迎え、物語で人が変わっていくことの大切さを噛みしめられるところが、幅広い人に受けてるのかなと思う。

 映画としてどちらが優れているかみたいな話になったら落下~のほうになるんだろうけど、個人的には、描写のキツさと普通じゃない人が救われている部分から、ザ・セルのほうが好きだったりする。



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