主人公はX(旧Twitter)らしき所で裏垢をつくり日々の仕事や世間にたいする愚痴を吐いている中学校教諭・市川。ダサイ大人になんかなりたくねえと言っていた当の本人が実はとっくにそうなっていた、という笑い話だ。
主演はザ・清潔感のあるイケメンって感じの俳優さんで、こんな人が担任だったらさぞかし学校生活も楽しかろうって印象を受ける。しかし市川先生、口を開くとロクに自分の考えも述べることができないダサイ姿が露呈する。
「オレはまだいける」という自意識が拭えない市川先生のどうしようもなさを見事に演じられていて、あまりの落差に笑ってしまった。この人は清潔感しか取り柄がないのでは、とさえ思わされた。
勤務先の学校で起きたのは、これまたSNSで議論が紛糾する話題でおなじみ、校則にまつわること。
生まれつき髪色が明るい女子生徒が、教師から黒く染めるように諭され、学校に来なくなった。
それを知った同学年の別の生徒が「なぜ校則では髪は黒のみと定められているのか?」と納得がいかなかったため、クラスメイトを誘って抗議の金髪デモを始めた。この金髪に染めた生徒たちのクラスを受け持っているのが市川先生だった。
中学校で起きたこの騒動は報道されSNSでも注目を浴び、どんどんコトが大きくなっていく。
広まりかたも終息のしかたも、何というかインターネットの時代らしいなあと感じるものだった。
SNSに限らず、学校も、学校以外の世間の目も、「ほかと違うもの」へのアタリは強いと思う。事情も知らずに校門の前で演説していたオジサンとか、撮れ高さえあればいいと学校へ押しかけるマスコミの描写があるように、残念ながら偏見はなくならないのが現実だろう。
未成年である生徒が大人から守ってもらうには、髪色は黒くしたほうがまだマシなんじゃないだろうか。
校則を守るのも守らないのも、当事者にとって大変なのは変わらない。
髪色の明るい女子生徒からすれば持って生まれた身体的特徴も本人の意思も否定されたように感じただろうし、彼女の保護者からしてみれば「うちの子を理解してくれない」と学校組織に不信感を持っても致し方ない。
それでも、学校の外の様子まで俯瞰で見ると、生まれつきの姿のままでは守れるものも守れない時だってあるというか。
市川先生は(目的が保身のためこれまたダサイのだが)遅まきながら生徒のために解決の道を模索したし、金髪に染めてみた生徒たちは各人で思うところがあったみたいで、その後の顛末が印象的だった。
なにかを変えようとするキッカケとして金髪に染めるのは突飛だったが、まずは行動してみて何が起きるのか目にしてから考えてみるのも、時にはアリなのかもしれないと思った。
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