よそのレビューでも見た通り舞台“っぽい”作り。自分には合わなかった。
寒川氏の豪邸(のセット)で現在の夫や元夫を演じる5人の役者+αの掛け合いを楽しむ、という趣旨は分かる。
芝居が大事なのだから音楽や場面転換が少ないのも分かる。
彼らの回想からスオミの正体を考える過程を観客が共有する意図も、そのためにわざわざ長澤まさみが色んなコスチュームで現れたのも頭では理解できる。
しかしそのスオミが余計というか、浮いているようにしか見えなかった。
もしこのお話をそのまま舞台でやっていたら、夫達の会話劇を楽しむ要素が前面に出て、スオミは登場しない(あるいは最後にちょっとだけ出てくる)構成になっていた気がする。
舞台なら演出上見せなくていいスオミの姿を映像で補完しようとした結果、舞台“っぽい”雰囲気が変に残ったどっちつかずな作りになってしまったような気がした。
長澤まさみの演じ方がわざとらし過ぎる。求められたキャラのために演じきってしまうからこその嘘くささだから凄いと思う。でも、あそこまで振り切ってしまわれると、観るほうとしてはなんだか可愛く思えなかった。
欲を言えば、もうちょっとスオミに影があってもよかったんじゃないか、と感じてしまうような…
「この夫達、こんな女に騙されてたの?」としか思えなくて、観ててキツかった。
ただ、これ、自分が女だからこういう感想になっただけかもしれない。
ギャラクシー街道の虚無に比べればスオミは空虚というだけで、ちゃんとまとまってて普通に面白かった。
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