退屈だし長いし後半ほとんどデジタル復元お母さん出てこないんだけど、
「直接言える事なら絶対そうしたほうがいい」
というのだけは充分伝わってきた。
イフィーさんが男気を見せるルートも観てみたかった。
全体的に傷を癒すことに振りきってるヒューマンドラマ。
人の死をエンタメにして泣かせる意図は無いように感じた。
時間の流れがとてもゆったりしている。
メインテーマのワルツしかり、全体的にセリフが棒読みみたいな淡々とした空気感しかり。
棒読みっぽく聞こえるのは言葉一つ一つを丁寧に聞かせるために敢えてやったのかなと勝手に考えている。
何ていうか『シン・ゴジラ』冒頭のモブみたいな大根ぽさがあるんだけど、そのなかで妻夫木聡がちゃんと上手いと感じた。淡々とした空気を崩さずにニュアンスを捉えきった芝居をしていて凄かった。
主役のかたも上手い下手がよう分からんぐらい自然な感じだった。
ヴァーチャル・フィギュアと呼ばれる、膨大なデータから復元されたお母さんとの対話が度々描かれるが、嘘くさくはなっていなかったと思う。
そこは主人公のキャラによるところが大きいのかもしれない。
主人公は自分に嘘をつけない性格で、なんか自分の欲を他者にぶつける的なこともできない人。
目の前の母親が所詮データなのだという意識を拭い去れないまま、“故人らしき何か”を見ながら、終始自己対話を続けていた。
それなら呪術廻戦の東堂葵にとってのイマジナリー高田ちゃんみたく空想でもできる話やんけ、とはなってしまうんだけど、とにかくAIお母さんのクオリティが高いので普通のお涙頂戴モノとは全く違う印象を受けた。
本物と見紛うばかりの(見紛うばかりの、であってやっぱりちゃんと非常によくできたAIの演技ができてる)田中裕子をお出しされたら、さすがに主人公みたいな人でも対話できそうじゃね? って感じられる。
テクノロジーの面でいうと、途中で出てくる闇バイトやお母さんがお節介を焼くくだりのほうが気になってしまった。
実在した人間を復元したら、その人がやりそうな事はAIになってもやるんじゃないか? って点。
割と怖い部分なのに物凄くサラッと流されてて、「掘り下げないのかよ!」と。
そう突っ込みたくなるくらいにSF感を意識させない。
そこはなんか勿体ない気がした。
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