世間におけるキ○ガイの認識がまだ古かった時代に精神分裂病を患ったお姉さんと、お姉さんを病院へ連れていくのを頑なに避けるご両親を、当事者である弟さんが20年以上かけて録り続けたドキュメンタリー。
※映像作品としてまとめる旨を存命のお父様へちゃんと了承を得て公開されている。
会話が成り立たなくなったお姉さんを「どうすれば」ではなく、
会話はできるが話の通じない両親を「どうすれば」という話になっていた。
このご家庭においての「どうすれば」にかかる課題は2つある。
①どうすれば、姉を精神科に連れて行けるのか
②どうすれば、両親に姉の病気を認めさせられるのか
①、お姉さんを病院に連れていくことについて。
映像内の描写だけでは、弟さんがどこまで分裂病について学んだか分からないので何とも言いづらいのだけど。
患者自身に自分が病気になってしまったという自覚=病識がないのが分裂病の難しいところなのだろうけど、
もし、何よりも「姉のことを救いたい」と思うのであれば、力ずくでもお姉さんを病院に連れていく方法を考えればいいのに、と思ってしまった。
②、親を説得することについて。
不可能だったと思う。
ご両親は大変優秀な方々だ。特にお父さんが、優秀だからこそ「自分達のやることはうまくいっている」というバイアスに嵌まってしまっていたように見える。
話しても話しても、スルスルとすり抜けていくような感じだっただろう。
弟さんは「自分の説得により②親が姉の病気を認める」→「“親が”①姉を受診させる」の順序にこだわり続けており、何十年もかけて家族会議ばかりしていた。
病気の内容が内容だけに人に相談しづらいのは想像がつく。が、医者だって最初の(誤診したらしい医師)一人だけじゃない。
ネットを利用して匿名で知恵を集めることだってできたかもしれない。
公開された部分を見た限りでは、弟さんがどこまで外部・第三者へ助けを求めたかまでは分からない。
どうすればよかったか、に私なりに回答を出すとすれば、
「監督さんが両親に見切りをつけて、さっさと姉を病院に連れて行く」
かな。
変わるべきは弟さんのほうだったのではないだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿