洋画では珍しく人が入ってる印象を受けた。
同じく舞台から実写化したミュージカル映画でも、スティーブン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』がスッカスカだったのを思い出す。そっちはもう話もダンスも古いのかもしれない。
ウィキッドは世界観こそファンタジーだけれど、学園モノだし振り付けもイマドキ。誰が見ても楽しいように作られてる。
凄い名作かと言われば別にそんな感じはしなくて、普通の映画だと思ったけど。
内容はオズの魔法使いの前日譚と言いつつ原作の設定を借りて書かれた女の友情にまつわる物語で、オズ〜はぶっちゃけ予習しなくても観ることができてしまう。
スクールカーストの一番上と一番下に位置する二人が仲良くなるというシチュエーションには現実味がないし、歌って踊るパートが多すぎる作りは長ったらしいとさえ感じた。
でも衣装は力入れてるだけあってすごく良かった。
前評判も分からないうちからこれだけ注目を集めたのは、宣伝で見映えの良さをアピールできたのも大きいんじゃないか。
観てみたらアリアナ・グランデが意外と上手かったのが印象に残る。
のちの南の善き魔女・グリンダ(ピンク色のほう)の学生時代は、コミュニケーション能力がカンストしており良く言えば他者を味方につけるのが上手い、悪く言えば立ち回りだけは上手い、というキャラクターだった。彼女をアリアナ・グランデがコミカルに演じており嫌味な感じに見えない。
いや観客の経験則によっては普通にムカつくか。あーハイハイいるよねこういう女、みたいな。
最後まで立ち回りだけは上手くて、この無意識に計算できてしまうところはむしろ彼女のほうが恐ろしい魔女だったように思う。
冗長なのを除けばとくに文句はない映画だったが、オズの魔法使いを読んだことがあるとオズ役がジェフ・ゴールドブラムなのはイケオジ過ぎて違和感をおぼえた。
とは言え、この作品には「人は、見た目と、人を惹きつける力に弱い」という残酷な要素も含まれている。
お客さんだってキャスティングを理由に観に来たところはあるよね? と言われたら返す言葉もない。
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